こんにちは、ユキコ@アジアで働くママランサー(@SanoYukiko)です。
先日、「働き方」のパラダイムシフトについて、私自身の経験を通じた考察を共有させて頂きましたが、
同時に、私の中では、「家事」に関するパラダイムシフトも生じました。
この記事を書いている私は、何を隠そう、
- 過去15年間、まともに家事をやったことがない
- 家事は好きでもないし得意でもない。むしろ嫌い!
そんな私が、「家事」への抵抗感を取り払い、むしろ積極的に取り組むようになりました。(引き続き、一部はメイド様に外注しておりますが)
- 家事が嫌い/苦手
- 家事を少しでも楽に効率的にやりたい
- そのためなら、多少の投資も厭わない
- 時間をお金で買いたい
と思う方には有用なのではないかと思います。
私の場合、たまたま「家事」でしたが、嫌い/苦手だけどやらざるを得ないこと、新しいことを始めるときにも応用できると思います!
今日の記事は、以下の内容でお届けします。(具体的な攻略法(実践編)は次の記事で)
15年間、家事してませんでした…!
家事といっても、名のない家事がたくさんあるということは私自身も見聞きしていますが、メジャーどころの掃除、洗濯は基本、メイドさんにお任せ。(あるいは、お掃除サービス付きのサービスアパートメント)
料理は、子どもが赤ちゃんの頃、離乳食はそこそこ作っていましたが、やはり基本はメイドさんにお任せ。メイドさん不在の週末や自分が食べたいものがあるときだけ料理するという生活でした。
(余談ですが、あまり料理のセンスがないメイドさんでも、そこそこのレベルで料理できるようになるよう指導するスキルは高いと自負しております!笑)
その代わり(なのか?)、食材はオーガニックを中心に買うお店を指定、調味料はできる限り日本から持参したものを使ってもらうことで、健康面での最低限の配慮はしていました。まー、気休めというか言い訳ですかね。
ちなみに、家事のできない度合いとしては、トイレ掃除をしようと思ってトイレに行くも、「はて、どうすればよいの?」と便器の前に立ち尽くす→ググって掃除の手順を確認→掃除用品を買いに走る(実際はAmazonでポチ)というレベルです。つまり、かなり低い。
誤解を恐れずに書きますけど、私の中で、家事は、「自分でやる必要のないこと」に分類されていました。
特に好きでもないし、やりたくもなかったというのが大きいですが、「家事は他にできる人がいるんだから、私には、私しかできないことをやろう!」的な考えでした。(上から目線ですみませんw)
なぜ家事をするようになったのか?
家事スキルは限りなくゼロに近く、家事嫌いを公言していた私が、なぜ家事をするようになったのか?
直接のきっかけは、コロナで一時帰国を余儀なくされたことでした。
それでも、「家事をしたくない」という気持ちが強かったので(というか、「私には無理できない!という強迫観念?みたいなのもありました)、一時帰国当初は、実家に居候していました。
が、親元を離れて20年近く、それなりに年老いた両親との生活は大変でして…お互いストレスがたまり関係が悪化して家を出ることになったので(そういえば、里帰り出産のときも最後はストレスで憤死しそうになったんだった。学習してねーな…)、家を出ることにしたのでした。
同じタイミングで、夫が駐在国に戻ることになってワンオペになり、更には子どもが夏休みに突入し、家事能力ゼロなのに、いきなりワンオペになってしまいました…。
実際にワンオペ家事育児をしてみたら…?
結論から書くと、
「仕事の間に家事育児」ではなく、
家事育児の合間に仕事
「あー負のサイクルってこうゆうことだったのね…」という感じで、沼にハマっていきました。
実家ストレスからは解放され心の自由を得たのと引き換えに、時間の自由を失いました。何事もトレード・オフですね。
家事、特に料理(夏休みなので一日三食!)は待ってくれないので、ここを基軸に一日をまわすと、仕事をする時間がない。マジでない。そして、一日の終わりにはぐったり。
やむを得ず、平日の掃除・洗濯を極限まで減らし、週末に溜まった家事を片付けようとすると、週末、ずっと家事をする羽目に。休息できず疲れを引きずったまま月曜日を迎える…という悪循環。
(っていうか、掃除を一日しないと、床ってあんなに汚れるんですね。そして小1男子って食べこぼしもすごい。服の汚れもすごい。知らなかった…去年は夏休みが短くて本当によかったです)
家事スキルはないくせに、専業主婦の鑑のような母に育てられたので、自分の中の家事スタンダードが高い!スキルに見合ってない!さらには、近くに住む母に毎日のように家事と育児のダメ出しをされる!メンタルもかなり落ちました。
これじゃ仕事も生活も回らない!
とガチで泣きました。
でも、泣いていても家事は待ってくれないのよ…!(←2回目)
というわけで、本腰入れて生活の立て直しに取り組みはじめました。
理想の一日を考えてみた
一番最初に手をつけたのが、一日のタスクとスケジュールを書き出すということでした。
でも、当時のノートを見返してみると、なぜか、
こんな一日がいいわ♡
という理想のスケジュールを書いていました。
要すれば、
- 7時間睡眠は死守
- 家事育児を自分の満足いくレベルでこなしつつ
- 仕事もきっちりこなす
という一日なのですが、そうすると、なんと、
一日3時間しか仕事する時間がない!
となると、取るべき戦略も一つ。
3密
3密は、「3時間の密度をあげる」の略です。
ちなみに結果論ですが、この時、「理想の一日」から始めたのはよかったと思います。現実からはじめてたら、たぶん絶望しかなかったと思います。
家事攻略法(戦略編)
そんなこんなんで、仕事にメスを入れることにした私。
家事と違って私の得意分野なので、ぶっちゃけ「いけるでしょ!」、勝算ありだと思っていました。
で、最初に手に取ったのがこちらの本でした。
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この本を読んで、皮肉な逆説に気付いてしまいました。
注力すべきは仕事じゃない!
頭を使う仕事・使わない仕事
頭を使う知的作業や、家事に限らず、新しいことや慣れないことをやると疲れますよね?
ちょっとコムズカシクなるのですが、こういった知的作業や新しいタスクの遂行には、「理解、判断、想起、記憶、抑制」というプロセスが必要で、これを司るのは、脳の「前頭前皮質」というところになります。
この「前頭前皮質」なのですが、おそろしく小さくて、とんでもなく気まぐれで、働いてもらうには膨大なエネルギーが必要とのこと、なので、新しいことや慣れないことをやると、疲れてしまうんだそうです。
一方で、車の運転とか歯磨きとか、頭を使わなくても自動運転のように遂行できるタスクもありますよね。いわゆる「ルーティン」というやつです。
積極的に意識を向ける必要のないルーティン化された活動を司る領域にある「大脳基底核」の働きによるものなんだとか。
大脳基底核様は、大変エネルギー効率がよいらしく、ゆえに「頭をつかわない仕事」(単純作業)は疲れず延々とできてしまうんだそうです。
家事は単純作業なのか?
家事は、決まったことを決まった手順で行うという意味では、単純作業なのかもしれません。スーパー主婦のうちの母にとっては「目をつぶってもできるわよ」ってやつなんだと思います。
でも、家事超初心者のワタクシにとっては、ハーバードに入るより難易度高い(←本気)、知的作業なのです。
というのも、家事について知識も経験もほぼ皆無。
「家事」という概念を頭にぶっこんでも、脳内でつなげる情報や経験があまりにも乏しく、「理解、判断、想起、記憶、抑制」の最初のステップ(理解)からつまづいてしまう。
さらには、「家事」といっても、料理、掃除、洗濯…と多種多様。道理で疲弊するわけですわ。
必要なのは家事脳だった!
家事については、私の脳内に参照情報が全くなかったのですが、この本を読み進めていって、私のアンテナに引っかかったのが「身体で覚える」という箇所でした。
何を隠そう、私は、アフガニスタン駐在中にやることなさすぎて、海外ドラマを廃人レベルで見まくっていたのですが、帰国後、必要に迫られて受けたTOEFLで、リスニング29点(30点満点)を記録したという経験があります。
量をこなせば、大体のことはそれなりのレベルに行けるということは体感済。(換言すれば、狙って成果がでないのは、場数、数稽古が圧倒的に不足しているから!)
だから、何度も繰り返し練習し、それこそ「目をつぶってもできる」レベルまで家事を体得すれば、前頭前皮質ちゃんが司る知的作業から、大脳基底核が扱うルーティン作業になる。
小さな前頭前皮質ちゃんにスペースもできて他のことに使えるし、そこまで疲れることもなくなる。
ならば、
脳に新しい「家事」という回路=家事脳をつくればいい!
仕事も、確かに知的作業ではあるけれど、ある程度、データ、情報、知識、経験があり脳内リソースも豊富なので、家事と比べたら「ルーティン」だというわけです。
とはいえ、知識と経験を蓄積するには、それなりに時間がかかります。その間も家事は待ってくれない!(←3回目)
まとめ
好きなこと、得意なことを伸ばして、嫌いで不得意なことを避けて生きていければ最高!
私にとっては、「嫌いで不得意で避けたいこと」=「家事」で、家事をしたくないがゆえに、メイドさんが雇える国で働いていたと言ってもいいくらいでした。
ですが、嫌でも苦手でもやらなければならない場面というのは、人生においてまあまあ発生するのではないかと思います。
知識や経験のない新しいことを始めて習得するには、ものすごいエネルギーが必要です。それが、好きでも得意でもないことなら尚更!
私にとって、たまたま「家事」でしたが、
一に量、二に量、三、四がなくて五に量。話はそれから!
身体で覚える(=無意識レベル)まで数稽古をこなしてこそ、質や効率化について考えることができるということ。こなした量のぶんだけ、上手になるし手際もよくなる。
家事に限らず、英語、スポーツ、車の運転にしても同じですよね。
このことを教えてくれたのが、脳神経科学(neuroscience)ですが、この分野の知識は、家事だけでなく、仕事や子育てにも応用可能だと思うので、関心を持った方は、是非、この記事で紹介した書籍を含め、関連書籍をあたってみていただきたいです。
次の記事では、どうやってゼロ→イチの経験を積んでいったか、家事攻略法(実践編)をお伝えしますね!