海外生活(フィリピン・マニラ)

マニラ子連れ駐在|最初に押さえるポイントはこの3つだけ!【実体験】

こんにちは、ユキコ@アジアで働くママランサー(@SanoYukiko)です。

近々、母子でフィリピン・マニラに赴任、駐在される予定の方から、こちらでの生活セットアップについて質問をいただきました。

マニラでの生活に関する情報は、ネット上にもたくさんあると思うのですが、今回は、コロナ下というこれまでとは大きく異なる状況での赴任になり、ただでさえ大変な海外赴任、心配なこと不安なことも多いのではないでしょうか。

この記事では、現地事情などもふまえ、マニラ生活の立ち上げにあたって押さえておくべき3つのポイントについてお伝えしたいと思います。

この記事を書いている私は、

  • 海外在住歴18年(うち東南アジア11年)
  • フィリピンは2回目の駐在、今回の駐在は5年目母子赴任・駐在歴は5年
  • 駐在妻の経験もあり(ミャンマー)

この記事では、以下のことを書いています。

今回は、マニラを事例にお話してますが、他の東南アジア都市での駐在にも応用できる基本型だと思います。

「生活基盤の三角形」をつくることが大事!

生活基盤の整備に際して、最初に押させておくべき3つのポイントとは何でしょうか?

結論から書いてしまいますが、生活基盤をつくるための①職場、②住居、③学校の3つの位置(ロケーション)がポイントになります。

この3点を結んでつくられる三角形が、そのご家庭にとっての「生活圏(生活エリア)」になりますが、渋滞が多いマニラでは、この3つのロケーションを戦略的に考えないと、生活が大変になってしまうのです!

赴任地での生活が始まった直後は、赴任前の準備疲れや新生活への緊張から、心身ともに負担が大きくなりがちです。

私自身、これまで何度も経験していますが、生活まわりが落ち着かないと、仕事や学業にも集中、専念できません。一日も早く生活環境を整えるために、まずはこの三角形をつくることに集中してほしいです。

三角形をつくる手順は以下の通りです。

①三角点の起点を決める

②残りの2つにも優先度をつける

手順というほどでもないですね(笑)

以下、順を追って説明していきますね。

手順①三角形の起点を決める

まず最初に取り組むべきは、三角形の3点における起点を決めるということです。

基本的には、ご家庭の方針やご自身の生活において、「最も優先度が最も高いもの」を起点として固定、残りの2点を決める、調整していくというのがよいと思います。

どれも同じように大事!という場合も、3つのうちのどれか一つを仮にでも固定して検討したほうがいいです。

他の2つで何かしら妥協しなくてはならなくなった場合も、起点に立ち返って考えることができるため、基準が明確になり判断しやすくなります。

職場

起業や自営の場合を除けば、職場の場所は自分では選べないということがほとんどだと思いますので、職場を起点、固定するのがわかりやすいと思います。

私自身も、自分の仕事でフィリピンに母子赴任だったので、まさにこのパターンでした。

(お勤めなしの教育移住の場合は、学校が既に決まっているなら、学校を起点とすることでもよいと思います。適宜、ご自身の状況におきかえてくださいね)

配偶者のお勤め先が郊外の場合

職場を起点にすると、生活(買物が不便とか。「不便」というのも個人差が大きいですが)や、お子さんの年齢によっては、学校選定に制約が出てくることもあると思います。

配偶者の職場が遠い場合、家族はマカティやBGC、アラバンなどに居住、配偶者の方は早朝に家を出て中長距離通勤というパターンも多いのではないかと思いますが、職場を軸にするのか?という点については、やはり、そのご家庭が「何に高い優先度をつけるのか?」によって変ってくるところだと思います。

手順② 残り2点の優先度を決める

次に、2つ目の優先度を決めることになりますが、このあたりも、家庭や自分自身のプライオリティやお子さんの数や年齢に左右されるところも大きいと思います。

住居、学校のロケーションを検討するにあたっては、以下のポイントを頭にいれておきましょう。

住居

①医療機関へのアクセス

もはや説明不要ですね。とはいえ、病院のお世話にならないのが一番なので、日頃の健康管理は最重要事項です!

②生活の利便性

ここ一年ちょっとの間で、デリバリーが劇的に発展していますが、スーパーはもちろんのこと、ドラッグ・ストア、日本でいうホームセンター的なお店、クリニック、携帯キャリア、銀行ATMといったライフラインに関するサービスが一か所にまとまっているモールの近くはやはり何か便利です。

③コンドミニアムの共用スペースや施設

コロナで子どもの外出が厳しく制限されているので、コロナ前と比べて、コンドミニアム内の共用スペース(遊び場)や施設(プール)の重要度が爆上がりしました。ロケーションというより住居の選定条件になりますが、居住エリアを検討する際は考慮しておいたほうがよいです。

④治安

いわゆる夜の街といわれるエリアも、コロナになってからすっかり寂れてしまいましたが、まだまだ一般犯罪も多いマニラです。居住するエリアに加えて、ざっとでもよいので、生活圏や移動ルートで治安がよくないといわれている地域がないか確認しておくと安心です。

学校

2021年8月21日現在、フィリピンはまだ学校再開していないため、お子さんの学校はオンライン授業だと思います。当面この状況が続くようにも思いますが、今日はロケーション(場所)の話ですので、対面授業の再開を見据えたポイントをまとめておきます。

①緊急時対応

職場 and/or 住居からの距離はやはり重要で、近いに越したことはありません。お勤めの場合は職場、お勤めなしの場合は自宅から近いと便利です。近いは正義です。

②通学手段
  • スクールバス

大きな学校は、スクールバスがあることが多いと思いますが、プリスクールは送迎バスがないところも多いです。

バスでの通園、通学も、長時間になるとお子さんにとっての負担も大きいです。

距離はあてにならないので、実際にバスに乗車している時間も考慮したほうがよいですね。(他の東南アジア都市同様、渋滞を避ける意味もあり、スクールバスの朝のお迎え時間は早いです)

学校再開後、わが子をバス通学させるのかという点についても考えておく必要あるかなーと思っています。学校側も感染対策を取ると思いますが、わが家では、自家用車での送迎も視野にいれています。

  • 家庭による送迎

スクールバスがない場合、送迎は各家庭でということになりますが、毎日のことになると地味に負担になります。(お子さんが複数いらっしゃるならなおさら!)

  • 徒歩

徒歩での通園、通学も、気温、雨、大気汚染、また小さいうちは突然歩かなくなったりするので、同じコンドミの敷地内や徒歩数分の距離であればよいですが、慎重に検討したほうがいいと思います。

(私は、子どもが2歳だったバンコク時代、自宅から歩いて6-7分の幼稚園に子どもを通わせていましたが、近距離でもどえらく大変でした。控えめにいっても、あの大変さは二度と味わいたくないですね…)

徒歩の場合は、通学路の歩道などが整備されているかも確認してください。最近は、自転車やバイクが増えて、以前とは異なる危険も出てきていると思います。率直にいって、ライダーのマナーはよろしくないです。

  • 給食

これは完全に余談なのですが…

フィリピンの学校は給食がないところがほとんどですので、基本、お弁当持参です。上記で述べた通り、とにかく朝が早いので、お弁当づくりも大変そうです。(←すみません、メイドさん任せで未体験ゾーンです)

学校にカフェテリアやキャンティーンがあるところは多くないと思います。ヤンゴン、バンコクとも(質はさておき)給食があったは、本当に楽だった…(遠い目)

わが家の場合(実例)

ここでは、わが家の実例を見ていきたいと思います。

2017年の赴任当時、息子は3歳でした。

  1. 【職場】はマカティ(起点として固定)
  2. 【住居】利便性重視で市内の居住エリアを決定(マカティ)
  3. 【学校】自宅と職場の送迎ルートを勘案し選定(マカティ)

地図上でみると大した距離ではなく、自宅→学校→職場というルートで、渋滞がなければ15分もかからないのですが、短くても40分、渋滞がひどいときは職場にたどり着くまで1時間とかかかっていました…(涙)

わが家のように母子赴任の場合、また、子どもの年齢が小さいうちは、生活圏の三角形は小さい方がいいと思います。

現地の状況をふまえ、頭も体操をしてみましょう。

お子さんが未就学児の場合、プリスクールの選択肢は割とたくさんあるので、優先度が住居>学校となってもよいのかなと思います。お子さんが0~2歳くらいの間は、お世話も大変ですし家で過ごす時間も多いので、住環境の利便性は、ママのQOLの観点からも重視したほうがいいと思います。

就学児になると、学校の選択肢が(プリスクールと比べると)限られてくるため、優先度が学校>住居ということもあると思います。

コロナ下でのプリスクールの状況については各自でご確認ください

未就学児のオンライン授業は、集中できる時間も限られるので、なかなか大変だと思いますので(大人のサポートがかなり必要なので別の負担増になる恐れが…)、当面は、自宅保育をするといったことも検討しておいた方がよいかもしれません。

住居については、マニラについていえば、選択肢はたくさんあると思います。

配偶者の方が激務で実質ワンオペというご家庭も少なくないと思いますが、勤務地縛りを外せるのであれば、学住近接の方が圧倒的に便利ですね。

三角形は小さい方がいい

これまで見てきたとおり、職場・家・学校から成る三角形が生活圏になるため、ここを行き来するのが毎日の生活になります。

冒頭でも触れましたが、マニラは渋滞がひどいですので、この三角形は小さければ小さいほど、生活の効率がよいということになります。とはいえ、小さくするにも限界があり、生活にある程度の移動が伴うことは避けることができません。

侮れない移動手段!

この観点からすると、意外と侮れないのが移動手段です。

時間的にも負担の大きい移動を効率的かつできるだけ快適にすることは、QOLにも直結しますので、三角形とあわせて検討しておいた方がよい重要ポイントです。

日本人が多く住むマカティややBGCには、いわゆる公共交通機関というものはないため、移動は、①自家用車/レンタカーか②Grabやタクシーの実質二択になります。(ジプニーや乗り合いなどもありますが、ルートもわかりづらいですし、安全や感染リスクもありますのでお勧めしません)

以下、自家用車/レンタカーを利用する場合とGrab/タクシーを利用する場合のメリット、デメリットをまとめておきます。

自家用車/レンタカーの利用

メリット

  • 好きな時に出かける時ができる
  • 移動時間の有効活用(Grabやタクシーで必要なルートや運転スキルの確認等も基本不要なので、読書したり動画みたりできます)
  • お使いをお願いできて時間節約(買物、支払い等)

デメリット

  • コストがかかる(自家用車の場合は初期費用+毎月の固定費)
  • レンタカー会社やドライバーさんの労務管理が必要

Grab/タクシーの利用

メリット

  • コストを抑えられる(金銭的コスト+労務管理フリー)

デメリット

  • 移動の自由に制約がでてくる(時期、時間帯によってはつかまらないことも多い)
  • 知らないドライバーさん、また不特定の人が乗車することによる感染リスク

子連れの場合は、QOLもさることながら、安全・安心の観点から、自家用車/レンタカーをおススメしたいです。

人の手をを借りる

三角形を小さくすることで生活の効率をあげる、と書きましたが、(生活圏や移動から話がそれるのですが)生活と時間効率をあげる方法として、「人の手を借りる」、具体的には、メイドさん/ナニーさん(フィリピンではヤヤさんといいます)を雇って家事や育児をアウトソースすることが考えられます。

母子赴任の場合は必須です。

フィリピンのメイドさんは、英語もできますし、他の東南アジア諸国のメイドさんと比べると、コスパは圧倒的に高いです。

小さなお子さんがいる場合、現在の状況では、買い物に連れていくこともできないですし、頭の体操のところでも述べましたが、自宅保育になった場合を想定すると、短時間でも見てくれる人がいるだけで助かる場面は多いと思います。お母さん自身のストレスマネジメントも大事!

ただ、慣れないうちは特に、労務管理も含め大変なことも多いです。

メイドさんの探し方マネジメントについては、別記事でまとめますね。

日本にいる間にやるべきことは?

この記事にリーチされたくらいなので、既にネットでいろいろと情報収集されていると思いますが、コロナ前の海外赴任と大きく異なるのは、現地に着いてから思ったように動けない(と想定しておいたほうがよい)という点だと思います。

見学に行けないまま学校を決めなくてはいけなかったり、住居の内見も限られた件数しかできないかったり、コロナの関係で内装やクリーニングが予定通りにできず入居時期が遅れたりといったことも発生すると思います。

したがって、事前の情報収集はできるだけしたほうがいいです。

今回の三角形、特に住居と学校については、ネットで事前の収集をすれば、ある程度のあたりをつけておくということはできると思います。

情報収集をしたり見立てをする際に指針となるのが、

  • どのような駐在生活にしたいのか?
  • 理想の駐在生活を実現するために、優先させるべきことは何なのか?

いわゆる、「あり方」についてしっかりと考えておくことです。ご家族で赴任される場合は、夫婦間の方針のすり合わせもお忘れなく。

「あり方」がしっかりしていれば、おのずと優先順位もクリアになりますので、あとは「やり方」の問題です。

情報収集をしたら、収集した情報をもとに、自分なりの条件設定をしてみてください。

例えば「住居」なら、エリア、間取り、家賃等が基本的な条件だと思いますが、ここに「バスタブ付き」というのを入れると、対象となる物件数が一気に減ります。更に「築浅」という条件も追加=「バスタブ付き+築浅」となると、この条件を満たす物件を探すのはもはや至難の業です。

となると、選択肢を広げるためには、バスタブと築浅に明確に優先度をつける必要が出てくる、といった感じです。(この場合「築浅」を「最近リノベ」といった条件に置き換えるといったテクもあるのですが、こういったことは別の記事でまとめたいと思います)

優先順位づけた条件リストをベースに、最小限の現地踏査で条件を調整、確認、意思決定していくというイメージです。←そう、もはや仕事の域ですよ。

まとめ

最後にもう一度、この記事のポイントをまとめておきます。

  1. 職場、住居、学校の三角形=生活圏を戦略的に構築する
  2. 移動手段についてもあらかじめ想定、検討しておく
  3. 現地での行動に制約があるので事前の情報収集、優先順位付けは念入りに
  4. これらをスムースに進めるために「どんな駐在生活にしたいのか?」について、しっかりと考えておく

これからフィリピン・マニラに子連れで赴任、駐在される方のスムースな生活立ち上げに少しでもお役に立てたならうれしいです!

フィリピン・マニラでの生活で、こんなことも知りたい!というようなことがあれば、お問い合わせのページか、TwitterのDMなどでお知らせください。