自分が「問題だ!」と思っていることは、実は問題じゃないことも多いという件 【コーチング】

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今日は一つ、コーチングってすごいな~、面白いなあ〜、と思ったエピソードをご紹介します。

先週末は、またまたバンコクにコーチングのトレーニング行っていました。

トレーニングは、座学だけではなく、実際に講師(プロのコーチ)のデモンストレーションを見たり、クラスメイトを相手にスキルの実践演習もします。演習といっても、同じコースを受講している人をパートナーとして、その人の実際の問題を扱って、かなりリアルなセッションをやっていきます。

最終日に、4日間を通じて学んだスキルを総動員して実際にコーチング・セッションをやったのですが、私のパートナーはDでした。Dはタイで大手英語学校を運営する企業でマネジメント職(Director)を務めています。

Dがセッションで選んだテーマは、「今年のセールス目標を達成するためにどうすればいいのか?」というものでした。通常、コーチングでは、(クライアントの状況にもよりますが)基本的に課題設定はクライアント自身が行います。

私がまず質問したのは、「その話したいテーマについて、もう少し詳しく教えてほしい」ということ。

逆説的に聞こえるかもしれませんが、クライアントは、クライアント自身のマスターなのです。DのことはDが一番よく知っている。私はDからDについて教えてもらう。そうクライアントは先生で、コーチは教えを乞うひとなのです!

与えられているセールス目標に対して、8月現在では少し遅れを取っているとのこと。また、目標設定がそもそも野心的で、現実的ではないこと。でも、何とか達成したいと思っている。けれど、何から手をつけたらいいかわからない、ということでした。

何から手をつけたらいいかわからない。ふむふむ。

私の次の質問は、「何から手をつけたらいいかわからない、と言っていたけど、その状況をもう少し詳しく教えてほしい」というもの。

最近、まだ部をまとめ切れていないし、やることたくさんあるのに戦略や計画もなくて優先順位はつけられていないetc etc…。

そこで私は、さらに聞いてみました。「山ほどあるタスクの中で、まず何から手をつけるのが効果的だと思う?」彼の答えは、「戦略と優先順位」とのこと。ふむふむ。

「“何”が戦略を立てたり優先順位をつけたりすることを邪魔してるんでしょう?」とさらに質問してみると…。

まず最初にでてきたのが、オフィスのレイアウト。オフィスは近々引越し予定で、引越し先では個室が与えられる予定らしいのですが、今は皆と机を並べて仕事をしており、常にスタッフからの質問、確認、相談があり、集中できない!ふむふむ。

次に出てきたのが、給与の話。昇進後の給与パッケージについて、まだ合意できていないんだとか。もう一つの問題は、マネジメントをするうえで自分なりのルールができていないこと、またつくったルールを自分で破ってしまうこと。

そんなことを話しているうちに、Dが自分自身で、「自分に必要なのは集中(Stay focused)だな」と自分の話をまとめたので、私もすかさず、「今でてきた3つのうち、どのイシューにフォーカスするのがいいと思う?」と聞いたところ、返ってきた答えは、

「Salary Package! 」

「下世話だと思うかもしれないが、オレはmoneyにモチベートされるということが今、話をしながらよーくわかったよ。オレはこの企業に10年以上勤めているので、仕事のこともスタッフのことも、そして自分のポジションに何を求められてるかもよくわかってる。そう、戦略やプライオリティの問題じゃないんだ」

この後は、給与パッケージに関する交渉状況を確認して、いつまでに合意したらいいか、合意までにどういったステップが必要なのかといったことを話しました。その結果、まずは週明けに人事部に話をしに行くということになり、私にメールでフィードバックすることに確認して、セッションを終わりました。

このセッションは30分間でしたが、この間、私はほんの5つの質問をしただけ、下線部がその質問箇所です。見てわかる通り、別にキレがよいわけでもなんでもない、誰にでもできそうな質問ばかり!笑

にもかかわらず、Dは話しているうちに自分の問題に気が付き、次に何をすればよいのかをしっかり行動に落とし込むことができました。

そして、もう一つ面白いのが、Dは最初、「セールス目標の達成」のために「やることが多すぎ、戦略と優先順位がない」というのが課題だと思っていましたが、《本当の》課題は「給与パッケージに合意できていないこと」により自分のモチベーションが十分に上がっていなかったというところ。

そう、自分が問題だって思っていることは、案外、問題じゃなかったりするのです!

彼が「salary package 」と言った瞬間、正直、え、そこ!?!という感じでしたが(笑)、彼の表情ががらっと変わりました。まさに、「アハ」な瞬間でした。

これがコーチング、質問の力なのです。パワフルだと思いませんか?

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