というと、「どうやって英語を勉強したの?」という質問をよく受けます。その中でも特に多いのが、「どうやったら英語を話せるようになるの?」というもの。
「練習すれば話せるようになる」と思っている人も多いようですが、残念ながら、英会話スクールに通ってネイティブ・スピーカーを相手に会話を練習しても、英語を話せるようにはならないと思います…。海外に住んで、漠然と仕事、生活をしていても話せるようにはなりません。
一体何が足りないんでしょう?(以下、基礎力のある方向けの内容になります)
「聴くと話す」の切っても切れない関係
私自身の経験からすると、話せるようになるには、かなりの量の「聴く」が必要だと思っています。
うちの日英バイリンガル(現在6歳)の言語習得プロセスをみていて思ったのですが、
- まずは「耳」から⇒話すという順序
- コップ理論があてはまるようだ
コップ理論というのは、花粉症がないと思っている人でも、アレルゲンを浴び続けていると、コップの水があふれるように、自分の身体の許容量を超えるとアレルギー症状がでるというアレです。
英語も同じで、頭の中に英語のコップがあるとするならば、そのコップがあふれるくらいに英語のインプットをしたら、言葉があふれるようにでてくる=話せるようになるというイメージです。
長男が最初に話し出したのは英語ですが、4歳まで日本語がほとんどでてきませんでした。こちらが日本語で話しかけても、返事はいつも英語、でも会話はきちんと成り立っているので、こちらの日本語は理解できているようでした。でも、全然しゃべれなかった!
ところが、4歳のある日、堰を切ったように日本語を話し始め、突然、日本語ブームが到来しました。
英語の4技能をご存じでしょうか?
L:Listening(リスニング)
S: Speaking(スピーキング)
R: Reading(リーディング)
W: Writing(ライティング)
英語を話せない人に足りないのは、「話せるようになる」(=アウトプット)ための「インプット」、つまり、語彙(ボキャブラリー)、英文の構造やパターンへの理解や慣れです。
知らない単語、文章は聴き取れないですし、聴き取れない単語、文章は話せないのです。意外とこのことに気づいていない方は多いです。
ただ、「Listening(聴く)」も「Speaking(話す)」と並んで日本人にはハードルが高いですよね。私もかつては、CNNのニュースとかを聞いても、わかったような、わからないような、そんな感じでした。(たぶん、わかってなかったな。笑)
一番基本に忠実なやり方は、「読む(Reading)」から始めることです。
たくさんの文章に触れることでボキャブラリーを増やす、英語の文章の構造・パターンに慣れる、といった形で、とにかく「目」からのインプットを増やすことです。質のよい英文にたくさん触れることは、もう一つのアウトプット=「書く(writing)」力にもつながっていきます。
でも、ただひたすら英文を読むだけってつまらないんですよ。Economistとか読むと本当に格調高い読む力が付くんですけど、ぶっちゃけ面白くはないので、続かないです。笑
そんなときはやっぱり、「聴く(Listening)」も並行して採り入れてみることをおススメします。(と、ここでやっぱり「聴く(Listening)に戻る…)
そう、「目」と「耳」でインプット、インプット、インプット!運動と同じ、アスリートの気分で、身体で覚えるまでやり続ける。習うより慣れろ!の世界なのです。
やっぱり量が大事!
私の場合、海外ドラマのDVDで「聴く」訓練を積みました。しかも超大量に!
どのくらいの量かというと…
平日は2時間/週末は土日で20時間
⇒週に22時間
⇒月に88時間
⇒年間 1,000時間超
私は当時、アフガニスタンに駐在しており、治安の理由で外出がままならず、職場と自宅をひたすら往復する日々、やることがなかったんですよね。日本で普通に生活していたら、ここまでどっぷりドラマにつかることは難しいと思います。まあまあ廃人レベルですしw
そんな日々を1年くらい続けた頃、仕事上の必要に迫られてTOEFLを受験したところ、Listeningのパートが、すごく明瞭に、しかもユックリと聴こえるようになっていました。文字通り、耳を疑うレベルで。
なんと、スコアは、29点/30点満点!
TOEFLのために特別な対策は何もしておらず、思い当たることといえば、DVDでドラマをひたすら観ていたということだけでした。
この「爆発期」はアメリカ留学前のことなので、英語圏に留学しなくても、ある程度まで「聴く力」を伸ばすことはできるはずです。ただ、やはり1年といったスパンでの取組みは不可欠、「英語習得に王道なし」です。
なかなか語学が上達しない、と悩む人のほとんどは、インプットの絶対量が足りてないから!(いわゆるイマージョン)なんじゃないかなと思います。
繰り返しになりますが、語学の上達に近道はなく、スポーツとおんなじで、身体で覚えるまで、飽きるほど反復が必要。逆にいえば、やったぶんだけ、ちゃんと自分にリターンが帰ってくるこの上なく手堅い投資案件です。
私は今でも、このDVD鑑賞を英語学習のツールとして使っています。趣味と実益を兼ねた私にとっては最高の英語学習法です。